トマトは野菜なのか果物なのか、裁判で争われたことがある｜食の雑学ノート

最近では青果店やスーパーで様々な種類が出回っている、トマト。その瑞々しい甘さから、野菜なの？果物なの？と、ふと疑問に思ったことは無いだろうか。

アメリカでは古くから、トマトは野菜、果物、どちらに分類すべきかの論議がされてきた。そして1893年、なんとこの論議が裁判に発展したのである。原因は、関税。当時、アメリカでは、輸入果物には関税が課されていなかったが、輸入野菜に10%の関税が課せられることになり、論争が起こったのだ。この裁判は最高裁まで持ち越され、「トマトは野菜畑で育てられ、メインコースには出されるが、デザートにはならない」という理由から「トマトは野菜である」と判決が下された。

日本の税関の実行関税率表では、トマトは「食用の野菜」と決められている。しかし野菜と果物は、学術的に区別がされておらず、明確な定義が設けられていない。そのため分類は国によって、また国内でも生産・流通・消費の各分野により異なっているのだ。

参考
・“Nix v. Hedden – 149 U.S. 304 (1893)”　Justia US Supreme Court Center.（米国最高裁判所）
・「発見067 トマト裁判」　中村学園大学
・「フルーツトマトは野菜？果物？」　原田トマト