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日本の名レストラン403軒を紹介する「ゴ・エ・ミヨ 2021」。新エリア・関東甲信越を取り上げて、発売中

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グルメ界においては「ミシュランガイド」と並ぶ影響力を持つ、2大勢力のひとつ

フランス創刊のレストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」の日本版が、2021年2月17日に発売された。日本は、アジア地域唯一の展開国であり、2016年に上陸してから第5弾目のリリースとなる。今回が初掲載の関東甲信越エリアを含めた全33都道府県・403店のセレクションをはじめ、毎年注目を集める「今年のシェフ賞」、ソムリエやサービス、生産者を称える9つの賞や16名の受賞者インタビューも掲載している。

先見性、地域性の尊重に特長のあるレストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ」

レストランガイドブック「ゴ・エ・ミヨ(Gault & Millau)」は1972年、フランス人ジャーナリストのアンリ・ゴ(Gault)とクリスチャン・ミヨ (Millau)がパリで刊行したことに始まった。ポール・ボキューズやジョエル・ロブションなど、一流シェフをいち早く評価するといった新しい才能の発見に定評があり、評価本でありながら、レストランに寄り添う姿勢を重んじている。またフランス語で地域性、風土といった意味を持つ「テロワール」にも着目し、レストランとシェフを支える生産者・職人に光を当てている点も特長とされる。

「ゴ・エ・ミヨ 2021」発刊受賞者

発刊に先立ち、2月15日(月)にパレスホテル東京にて「ゴ・エ・ミヨ 2021」発刊 授賞式 プレス発表会を開催。シェフやソムリエ、生産者に至るまで、様々な食のプロフェッショナル達が賞に輝いた。

今年のシェフ賞 1名
調査した店舗の中で、才能を縦横に発揮し最も斬新で完成度の高いインパクトのある料理を出した料理人に贈られる
受賞者:米田肇(大阪/「HAJIME」/イノベーティブ)

「今年のシェフ賞」米田肇氏

米田氏は、地球を取り巻く環境、その美しさを皿の上に表現する独自の世界を展開。また、料理だけでなく、飲食業界を守るための活動を率先して行い、料理がより広い世界でとらえられるよう努めており、その見識の深さ、活動ぶりが、まさに「今年のシェフ」と呼ぶに相応しい存在であると評価された。

明日のグランシェフ賞 3名
確固たる基本技術の上に、独自の料理世界を築き、優れた才能として日本の料理界を牽引することが期待される料理人に贈られる
受賞者:
齋藤宏文(神奈川/「イチリン ハナレ」/中国料理)

柴田秀之(東京/「レストラン ラ クレリエール」/フランス料理)
​高尾僚将(北海道/「TAKAO」/イタリア料理)

「明日のグランシェフ賞」左から 齋藤宏文氏、柴田秀之氏、高尾僚将氏

齋藤氏は「自身の料理をより深め、日本の食材を取り入れた繊細な料理を展開している点」が、柴田氏は「芯がありつつも常に更新され、ゲストに寄り添う料理の完成度の高さ」が、高尾氏は「アイヌ文化を現代の感覚で自身の料理に反映し、「森」をテーマに、ガストロノミーとしてゲストに提示していること」がそれぞれ評価された。

期待の若手シェフ賞 3名
発刊以来「新しい才能の発掘」に努め、若手シェフの支援に重きを置く「ゴ・エ・ミヨ」。その中でも、才能と情熱、技術が今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人に贈られる
受賞者:
荻野聡士(東京/「赤坂 おぎ乃」/日本料理)

信太竜馬(東京/「エラン」/フランス料理)
山崎志朗(東京/「山﨑」/日本料理)

「期待の若手シェフ賞」左から 荻野聡士氏、信太竜馬氏 ※山崎志朗氏は都合により欠席

荻野氏は「京都と東京で学んだスタイルを自身の中でまとめ上げ、「おぎ乃」の料理としての魅力を発揮している点」が、信太氏は「技術力に加え、レストランという場をより広く、持続可能な形で運営し、食の素晴らしさを伝えていこうとする姿勢」が、山崎氏は「名店や現代感覚あふれる店で得た成果を自身の中に取り込み、それらを形にしていく創造性、技術力、完成度の高さ」がそれぞれ評価を得た。

トランスミッション賞 1名
受賞者:音羽和紀(栃木/「オトワレストラン」/フランス料理)
「トランスミッション賞」では、培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッションする(=伝える)ことに多大な貢献をされた料理人を表彰

「トランスミッション賞」音羽和紀氏

音羽氏は、フランスの名店での修業で得た料理技術のみならず、生産者の中に身を置くことの重要性を学び、地方都市に根をおろし、その地のテロワールを発信し続けてこられたことや、日本のフランス料理界を牽引し、後進の育成にも努められており、その多大な貢献に対し、この賞が贈られた。

トラディション賞 1名
受賞者:中東久人(京都/「美山荘」/日本料理)※都合により欠席のため写真掲載はなし
「トラディション賞」では、土地が育んできた伝統文化を守りつつも、時に挑戦を試み、次世代へつなぐ知識と技を磨き続ける料理人を表彰

中東氏は、「摘草料理」を受け継ぎ、料理だけにとどまらず、花脊の土地の自然を通して人をもてなすことに力を注ぎ、その伝統文化に宿る精神や地域の素晴らしさを、柔軟な発想も取り込みつつ広く伝えている点が高い評価を得た。

イノベーション賞 2名
受賞者:
佐藤慶(東京/「虓」/イノベーティブ)

新保吉伸(滋賀、株式会社サカエヤ)
「イノベーション賞」では、自身のキャリア、哲学、コンセプトなどにおいて、挑戦することを選び、新たな切り口で取り組む料理人、生産者を表彰

「イノベーション賞」左から 佐藤慶氏、新保吉伸氏

佐藤氏は「培ってきた技術をもってジャンルを取り払ったイノベーティブな料理を展開し、独自の視点の料理世界を築き上げている点」が、新保氏は「価値のつきにくい肉に手当てを施し、旨みを引き出す技術に加え、素晴らしい生産者を見つけ出し、自身の技術を通して広めている点」が、それぞれ高い評価を得た。

ベストソムリエ賞  1名
ワインの知識やワインリストの構成のみならず、卓越した接客術を持ち、常にお客様重視の姿勢でサービスを行うソムリエを表彰
受賞者:松岡正浩(大阪/「柏屋」/日本料理)

「ベストソムリエ賞」松岡正浩氏

松岡氏は、伝統的な日本料理へのペアリングの提案に取り組み、ワインや日本酒など、それぞれの料理に最適となるよう工夫されている点が高く評価された。

ベストサービス・ホスピタリティ賞 1名
レストランや料理店において、その店の世界観を的確に伝える最終的な接点として、お客様に寛ぎと深い感動の記憶を残すサービスを展開されている方を表彰する
受賞者:和田智子(石川/「和田屋」/日本料理)

「ベストサービス・ホスピタリティ賞」和田智子氏

和田氏は、長く続く料理宿の女将として、しつらえや活ける花、ゲストにあててしたためるメッセージなど、濃やかな仕事でその世界観を伝え、また全体のおもてなしをまとめ率いて、多くのお客様から支持されている点が高く評価された

テロワール賞 3名
土地の風土や食材、育まれてきた文化を尊重しつつ、食材または料理を通じて独自の挑戦を試みている生産者や料理人を表彰する
受賞者:
井上和洋(新潟/「レストラン ウオゼン」/フランス料理)

藤本純一(愛媛/正栄丸 船長)
前田尚毅(静岡/サスエ前田魚店)

「テロワール賞」左から 井上和洋氏、藤本純一氏、前田尚毅氏

井上氏は「シェフとして土地と向き合い、その結果得たものを自身の高い技術で皿の上に表現し、県外からも注目を集めている点」が、藤本氏は「海と仕事を守るために自身の獲る魚の価値を独自の手当てや流通方法の工夫によって高め、新しい漁業者像を提示している点」が、前田氏は「熟練の目利きと独自の仕立て技術により、質の高い魚を全国の料理店に卸すと同時に、国内外の料理人にその技術を伝え、料理人と共に魚の価値をより引き出す方法を編み出し続けている点」が評価を得た。

「ゴ・エ・ミヨ 2021」
仕様:A5変型 272ページ
定価:3,000円(本体2,727円)
発行:ガストロノミー・パートナーズ株式会社
発売:株式会社 幻冬舎