1. HOME
  2. 「知る」
  3. 東京・蔵前にインド食文化の伝道ショップ -「アンビカショップ」を探検
「知る」

東京・蔵前にインド食文化の伝道ショップ -「アンビカショップ」を探検

「知る」

いつの時代も華やかに賑わう浅草。その喧騒を背に南へ少し歩くと、ふっと街の雰囲気が変わる。穏やかな空気の中に、すっと気持ちのよい風が通り抜けるような、そんな心地よさを感じさせる街・蔵前だ。

古くからの問屋街に、新風が吹き始めたのはここ数年のこと。若いクリエイターたちが続々と店舗を構え、今では蔵前は“東京のブルックリン”などと呼ばれている。そんな今と昔が共存する懐の深い街にインドの香りが漂う店があるのをご存じだろうか。インド食材の輸入販売を行う「アンビカショップ」である。

オープンから時を経て、すっかり街に溶け込んだアンビカショップ

蔵前発、関東のインド食材流通を支えるアンビカトレーディング

アンビカショップを運営するのは、「食文化を通してインドとニッポンを結ぶ架け橋でありたい」と語るインド出身のヒンガル ・ニッティンさんが社長を務めるアンビカトレーディング。なんと35人の社員の2/3はインドかネパール出身という。

商品の多くはインドの現地グループ会社から輸入しているため、良質なものが手に入れやすい価格で販売されている。全国のインド料理店はもちろん、カルディ、成城石井、酒のやまやといった食料品店、さらには大手企業の社員食堂にも食材を納めていることからも、その品質と専門性がお分かりいただけるだろう。

“世界一甘いスイーツ”やインド産ウイスキー、ギーも。インドの食文化がギュッと詰まった店内はまさにワンダーランド

いったいどんな未知の食材と出会えるのか、ドキドキしながら店を訪ねると営業部の加藤嵩之さんが笑顔で迎えてくれた。本社の1階が小売りの店舗になっていて、一般の客も購入できる。

インドの食文化も教えてくれた営業部の加藤嵩之さん

明るい店内に入ると、品揃えの多さに驚いた。見たことのないものがあるだろうとは想像していたが、これほど数があるとは思っていなかった。定番のカレーはもちろん、数えきれないほどのスパイスに目移りしてしまって仕方ない。

世界一甘いスイーツと話題になった「グラブジャムン」もあるではないか。思わず手が伸びた。なんと、それを手作りできる「グラブジャムンMix」まであるという。ワクワクが止まらない。

世界一甘い、と言われるスイーツ「グラブジャムン」

コロンと可愛らしいドーナツを甘い甘いシロップに漬け込んだグラブジャムン。インドでは結婚式やお祭りなど、お祝いの席の定番スイーツなのだとか。

糸の切れた凧のように、店内をあちらこちらと見て回っていると、意外なものが目に付いた。アルコール類である。インドには飲酒を禁じる州があるなど、アルコールの規制が厳しい国というイメージをもっていたため驚いた。

ボトルやパッケージもオシャレなインド産ウイスキー・アムルット

加藤さんに聞いてみると「インドはビールやワインはもちろん、ウイスキー、ラム、ウォッカなどのハードリカーを含め、多種多様なアルコール飲料の生産地でもある」のだそうだ。「ウイスキーの消費量は世界一とも言われているんですよ」と教えてくれた。

アンビカショップの棚にはインド産のウイスキー・アムルットが並ぶ。蒸留所はウイスキーのそれとしては世界一高い場所にあり、温暖な気候も手伝って、スコットランドの3倍の速さで熟成が進むそうだ。エンジェルシェアも約3倍だという。

インド料理店でよく目にするパパドの種類も豊富だ。豆などの粉で作られるもので、インド版薄焼きせんべいといったところか。パリパリという食感が楽しい。ガーリック入りや黒コショウ入りなどが並んでいた。ピリッと酒の肴にもなりそうだと思わず想像してしまう。

カラッとあぶって軽食やおやつにもなるパパド

女性注目のギーももちろん取り扱っている。ココナッツオイルやエゴマオイルなどに続く、ヘルシーオイルとして注目を集めたピュアオイルだ。アンビカショップには500mlや1Lと大容量のものがあるので、料理にお菓子にと日常使いする方には嬉しいところだろう。

たっぷり使える大容量のギー。パッケージも可愛らしい

インドの味と香りをたっぷり堪能 旅の思い出もよみがえる食材の宝庫

まだまだ紹介したい食材はあるのだが、みなさんには初めてを探す魅惑的な時間やレストランで出会ったあの味との思わぬ再会を楽しんでいただきたいので、今回はこのあたりで。

冒頭でも述べたが、とにかく品揃えが素晴らしいアンビカショップ。使い方が分からなければスタッフが教えてくれるので、インド料理が好きな方は一度訪れてみてはいかがだろうか。インド旅行で出会ったあの味を再現できるかもしれない。

たっぷりサイズをお得に購入できるため、惜しげなく使えるのもありがたい。初めてのレシピに失敗しても再チャレンジできるし、美味しくできればまたいつでも作ることができる。

東京の下町にこんなインド食材のワンダーランドがあったとは。アンビカショップが、日本でインドの食文化を広げる一役を担っているのは間違いないだろう。

アンビカショップ
住所:東京都台東区蔵前3-19-2 アンビカハウス 1階
電話:03-6908-8077
定休日:年中無休(年末年始を除く)
URL: https://www.ambikajapan.com/jp/ambikashop.aspx