ジャガイモは裁判で、火あぶりの刑に処されたことがある|食の雑学ノート
法で裁かれてきたのは、人間だけではないようだ。キリスト教に基づいた魔女裁判が盛んであった中世ヨーロッパでは、野菜に対する裁判も大真面目に行われていた。そんな被告のひとつが、ジャガイモだ。ジャガイモは「種イモのみで繁殖し、神の定めた繁殖方法(雌雄による繁殖)と反するため性的に不純だ」という理由で裁判にかけられて、なんと有罪判決。「悪魔の植物」というレッテルを貼られ、火あぶりの刑を受けたという記録が残っている。
南アメリカを原産地とするジャガイモがヨーロッパへ登場したのは、16世紀のこと。大航海時代に持ち込まれたとされるが、毒素を含むジャガイモの芽を食べて中毒を起こす人が現れたり、裁判で有罪判決を受けたり…。ヨーロッパの人々に食べ物として受け入れられたのは、18世紀頃のこと。戦争と食料飢饉を繰り返す中でだんだんと、栄養価が高く、保存の効くジャガイモが求められるようになったという。
参考
・「じゃがい問題研究所「じゃがペディア」」 ホクレン玉ねぎ馬鈴しょ課
・織田哲雄 「第85号生鮮EDI「裁判沙汰になった野菜たち」」 生鮮取引電子化推進協議会