お弁当に入っている、魚型の醤油入れの名前は「ランチャーム」|食の雑学ノート
お弁当を開けるとシュウマイやコロッケ、天ぷらなどに添えられている、あの魚の形をした醤油の容器。日本人であれば誰もが知るあの容器には、実は「ランチャーム」という正式な名前がある。
もともと、持ち運び用の調味料入れはガラスや陶器製のものが使われていたが、割れやすく、使い捨てにもかかわらずコストが高かった。ここに注目したのが、今も「ランチャーム」を作り続ける旭創業の創業者・渡辺輝夫。昭和32(1957)年、ポリエチレン製のお弁当用調味料容器を開発製造し、「ランチをチャーミングに」という願いを込めて「ランチャーム」と命名。「ランチャーム」は、ある百貨店からの引き合いをきっかけに日本各地から注文が殺到!全国規模での展開がスタートし、今やお弁当や持ち帰りメニューに欠かせない存在だ。
開発当時は、ストロー状のポリエチレンに醤油を通して両端を熱裁断することで製造していたため、魚型ではなかった。「ランチャーム」の中で最も象徴的な鯛を模した魚型タイプは、持ち帰りの寿司に添えるためにと誕生したものなのだ。ちなみに現在は、瓶型、ひょうたん型、ブタ型(とんかつソースに使われる)といった種類も広く普及し、親しまれている。
参考
・「ランチャーム誕生ストーリー」 株式会社旭創業
・「ランチャーム」 株式会社あさひパック