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ハビエルさんと巡るカスティーリャ・イ・レオン③ | スペインを食べる。

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スペインのカスティーリャ・イ・レオン地方の食について、この分野のエキスパートのハビエル・ペレス・アンドレス氏と話すこの企画。第3回目となる今回は、カスティーリャ・イ・レオン地方の生ハムとワインついて(第1回記事第2回記事)。

カスティーリャ・イ・レオン地方と生ハム

― 生ハムと言えば、一大産地はやはりサラマンカのギフエロ(Guijuelo)かとは思いますが、カスティーリャ・イ・レオン地方のどのような要素が生ハムを特別なものにしているのでしょうか。

ひとつにはこの地方の自然があります。森の多い地域なんですね。特にサラマンカの近くにはシエラ・デ・フランシア(Sierra de Francia)というちょっとした山岳地帯があって、その森にあるどんぐりの木がこの地方の生ハムを特別なものにしているんです。そして、ギフエロはシエラ・デ・フランシアのすぐ隣に位置する町です。生ハムの原料として最良とされるのはイベリコ豚ですが、このイベリコ豚にどんぐりを食べさせることが、最高級の生ハムを作るために必要なんですね。

黒いイベリコ豚

そのため最高のイベリコハムを生産するには、広い土地とどんぐりの森林がある場所が必要なんです。シエラ・デ・フランシアにはこの2つの条件を満たす場所があったために、ギフエロがイベリコハムの一大生産地となったわけです。

ちなみに、サラマンカで生産されている生ハムはイベリコ豚のべジョータだけではありません。一般的な白豚もハモンになります。黒豚と比較すると、白豚のハモンの方がお値段はお手軽ですが、味は黒豚に負けないくらいおいしいです。ぜひ、両方食べることをお勧めします。

ちなみにギフエロの生ハムには、食べる1時間ほど前から冷蔵庫から出して室内に置いておいてください。生ハムの脂をより楽しめますから。

ワインを飲むならバリャドリッドへ

カスティーリャ・イ・レオンのワインのひとつ、ルエダの白

― 続いては、カスティーリャ・イ・レオン地方のワインについてお伺いします。ずばり、この地方のワインの特徴とは何でしょうか。

『多様性』が、カスティーリャ・イ・レオン地方のワインの最大の特徴です。すでにお話したとおり、カスティーリャ・イ・レオン地方は広大な土地で、かつ山に囲まれた盆地の地域です。また、県によっては暑いところと寒いところの気温差が本当に大きいところもあります。また、山岳部と盆地の標高差も大きいです。自然環境が本当に豊かなんですね。

こうした条件のために、カスティーリャ・イ・レオン地方では様々な種類のぶどうが栽培可能なんです。そのことがこの地域のワインを多種多様なものにしています。

― カスティーリャ・イ・レオン地方の原産地呼称(D.O.)を持つワインの特徴を教えていただけますか。

まず、最初に日本の皆さんにお知らせしたいことは、もしカスティーリャ・イ・レオン地方のワインを1日でたくさん味わいたいと思う方には、バリャドリッド(Valladolid)に来ることをお勧めします。というのも、バリャドリッドの近郊では5種類の原産地呼称をもつワインが生産されているんです。その5種類のワインとは、リベラ・デ・ドゥエロ(Ribera de Duero)、ルエダ(Rueda)、トロ(Toro)、シガレス(Cigales)、レオン(León)です。バリャドリッドには各ワインを生産するワイナリーがあります。

5種類の原産地呼称をもつワインを楽しむことができる街・バリャドリッド

また、きのこで有名なソリア県もトロとリベラの2種類のワインが生産されています。秋にソリアを旅をするなら、地元のきのこ料理をこの2つのワインで楽しむのも、良いかと思います。

そして、各ワインの特徴ですが、リベラ・デ・ドゥエロは香りが強く、赤ワインも白ワインも、味も濃厚なのが特徴です。生産地域はブルゴス・バリャドリッド・セゴビア・ソリアの各県です。

リベラ・デ・ドゥエロの赤

そしてレオンは、その名のとおり、レオン県を中心にバリャドリッド県一帯までの地域で生産されているワイン。隣がガリシア地方であるため、アルバリーニョ(Albariño)のような白ワインが主に生産されています。でも、この地域のロサード(Rosado)もおいしいですよ。ぜひ夏に冷たくして飲んでください。

こちらはレオンのカテドラル

そしてカスティーリャ・イ・レオン地方のワインのもうひとつの有名どころが、トロのワインでしょう。サモーラ地方を中心にバリャドリッドとソリアまでの地域で生産されています。この赤ワインでサラマンカの生ハムを食べるとよいかもしれませんね。

日本でも、ルエダのワインは飲むことができるのではないでしょうか。スペイン国内で最も売れているワインのひとつがルエダの白ワインなんです。白ワイン派の方はぜひ、現地で味わってください。

そしてシガレスのワインはロサードが有名ですが、最近スペインではこのシガレスのワインの評判があがってきています。

旅行でカスティーリャ・イ・レオン地方のバールにいらした時は、ぜひ地元のワインを楽しんでください。どこのバールに行っても、おいしいワインを楽しむことができる地域ですから。

ハビエル・ペレス・アンドレス氏 (Javier Pérez Andrés)
新聞記者。カスティーリャ・イ・レオン地方のワインやグルメについて30年以上前から様々な媒体で情報を発信してきた、この分野の第一人者。スペインの新聞EL MUNDOがカスティーリャ・イ・レオン地方で毎週発行する日曜版のコラムニストであると同時に、同地方のTV局に番組をもつ人物でもある。