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写真:シェーブルチーズケーキ

父が経営していた街の洋食店を、いつか自分の手で。フランス料理最高峰の舞台で研鑽を積んできたシェフの夢「longtemps」

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EAT UNIVERSITYは、本当に美味しいレストランで手づくりされたお取り寄せグルメのセレクトショップ「3rd Menu」をスタートしました。今までになく、自宅で食事を摂る機会が増えた新しい時代に、プロにしか生み出せない食の感動を自宅で簡単に味わえるようにしたい。そんな想いで私たち編集部は、自分たちが本当に美味しいと思うレストランを選び抜き、お店で手づくりしたグルメをお届けしていくこととなりました。美味しい料理の背景には必ずと言っていいほど、語られるべきストーリーが存在すると私たちは考えています。当連載では、私たちの想いに共感してくださったシェフの皆さんお1人ずつにインタビューさせて頂き、そんな美味しさの背景にあるストーリーに迫ります。

フランス料理の最高峰の舞台で研鑽を積んだ後、店舗を持たないシェフとして、「longtemps(ロントン)」の屋号を掲げ活動する近藤悠太さんは、かつて洋食店を営んでいた父の影響をうけ、料理人の道を志した。

「父のレストランのように、近所の人々が週末にふらっと訪れるような、それでいてとびきり料理が美味しい洋食店をつくりたい」。そんな思いから、洋食に必要な技術を一番しっかりと学べると考えた、フレンチの道に飛び込んだ。

フランス料理の最高峰の舞台で研鑽を積んできた近藤シェフ

10代でフランスに渡り、ミシュラン・フランス版の星付きレストランなどで修業。帰国後は、2つの星付きレストランなどでさらに経験を積み、26歳で再びフランスへ。南部のリヨンを中心に現地のレストランで腕を磨いてきた。

日本に帰国後は地元の東京都国立市で自身の店舗の物件探しを進めていたが、新型コロナウイルス感染症が拡大。現在は一時的にフリーランスの料理人として、店舗をもたずに食と向き合う仕事を続けている。

美味しいのは当たり前。だからこそ、徹底して安全にこだわる

「longtemps(ロントン)」の屋号は、以前父が経営していた洋食店の運営会社名である「long time」をフランス語にして名付けた。「長い間愛される」という意味を込めているという。

近藤さんに料理人としてのこだわりを伺うと、意外なことにその対象は味についてでは無かった。「お客様の体内に直接入る商品やサービスを手がけているのは、数ある職業のなかでも、料理人だけだと思います。安全には最も気をつけなくてはいけません」。

レストランがおいしい料理を出すのは、基本中の基本。だからこそ近藤さんは食の安全性に最も気を配る。味に絶対の自信があるからこその答えでもあるのだろう。

同じメニューは二度と作らず。毎回打合せから得られたインスピレーションをもとに、1皿1皿作り上げていく。

同じメニューは二度と作らず、カフェやレストランを始め様々なお店のコンセプトに合わせて、メニューの提案やケータリングサービスを手がけている近藤さん。「お互いがきちんと納得したものを作り上げたいので、事前の準備や打ち合わせにはしっかりと時間を使います」と言う。

こうして活動を続けているなかで気づいたのが、笑顔になれる食の体験を様々な形で届けたいという想いだった。「コロナの影響をうけて家で過ごす時間が増えたので、自宅で食事を楽しめるような商品の開発や販売ができたらと考えるようになりました」。そこでふと思いついたのが、かつてお父様が洋食店で販売していたチーズケーキだった。

奇を衒わない昔ながらのチーズケーキと、フランス修行時代の思い出のチーズ

 

写真:シェーブルチーズケーキ

味のバランスをとることが難しいことから、日本でもフランスでもほとんど作られることのないというシェーブルチーズのチーズケーキ

今回「ロントン」が3rd Menuに出品するメニューは、2種類のチーズケーキだ。洗練されているけれど、どこか懐かしい昔ながらの洋食店の味わいの「ベイクドチーズケーキ」と、フランス・リヨンの修業中にその美味しさに出会った、山羊のミルクでつくるシェーブルチーズを使った「シェーブルチーズケーキ」である。

ベイクドチーズケーキは、北海道産のクリームチーズと濃厚な生クリームを使用した、シンプルなケーキだ。湯煎をしながらじっくりと焼き上げているため、クリーミーなこくが味わえ、表面につけられた焼き色からは、香ばしさも感じられる。「父が以前営んでいた洋食屋には、美味しそうなケーキがずらりと並ぶショーケースがありました。そのイメージがとても印象的だったので、昔ながらのチーズケーキを販売したいと思ったのです」。

ケーキの下にはサックリとした食感のサブレが敷かれているのも嬉しい。シンプルで懐かしい一方、洗練された味わいは、フレンチの道で磨いた技術を注ぎ込まれているからこそ。近藤さんは「完成品にたどり着くまでに、60本以上は試作を重ねました」と話す。

もう一品のシェーブルチーズケーキには、フランス産の山羊のチーズ、シェーブルチーズをふんだんに使用している。「フランス修行時代に良く食べていたシェーブルチーズを使っています」。卓越したフレンチの技術を駆使して、癖の強いシェーブルの香りを絶妙なバランスでケーキとして仕上げた一品だ。

シェーブルチーズケーキに同封されている蜂蜜は、北海道の菩提樹の蜜からのみ作ったもの。ほのかなハーブの香りが特徴だ。菩提樹の蜂蜜の採取量は少なく、ヨーロッパでは最高級はちみつとして知られている。

シェーブルチーズケーキとともに食べると、すっとした独自の清涼感が楽しめる。コーヒーや紅茶にはもちろん、ワイン等の洋酒と合わせるのがおすすめの食べ方だ。

2種類のチーズケーキはどちらも原材料と製法にとことんこだわっているため、価格を高く設定することももちろん可能だった。しかし近藤さんは街の洋食店の料理のように、気軽に多くの人に食べて欲しいという思いから、ギリギリまで価格を低く抑えている。いわばこの2種類のチーズケーキは、近藤さんが目指す「街の洋食屋さん」をスイーツの形にしたものなのだ。

longtemps(ロントン)
住所:東京都立川市錦町5-15-9
電話:080-4078-0110
3rd Menu 出品者紹介ページ
3rd Menu 商品ページ:
ベイクドチーズケーキ
シェーブルチーズのチーズケーキ
ベイクドチーズケーキとシェーブルチーズケーキのセット
ショコラ オ カシス