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和食の要を、極める。「だしの研究―だしの仕組みを理解して、自在に使いこなすための、調理とサイエンス―」発刊

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7月30日、柴田書店より「だしの研究―だしの仕組みを理解して、自在に使いこなすための、調理とサイエンス―」が発売された。和食の要となる、だし。本書ではだしの取り方と、その味を活かしたレシピを7名の料理人が紹介する。科学的なデータをもとにした、だしの仕組みの解説も加えられ、だしを極めるための一冊となっている

『だしの研究』柴田書店編、撮影/海老原俊之、2020

料理人による、74のだしと、それを活かす料理紹介

昆布、カツオ節、煮干しといった基本なものから、干し貝柱、干しシイタケ、エビ、鶏肉。チーズやトウモロコシ、ジビエ、フジツボまで……。うま味を持ったあらゆる素材を取り上げて、東西7名の料理人がだしの取り方と、そのだしに合った料理を紹介する。「日本料理 晴山」の山本晴彦さん、「虎白」の小泉瑚佑慈さん、「多仁本」の谷本征治さん、「てのしま」の林亮平さん、「木山」の木山義朗さん、「日本料理 翠」の大屋友和さん、「うぶか」の加藤邦彦さん。また、「他ジャンルのシェフの和だし使い」として、北欧エッセンスの効いたフレンチレストラン「スブリム」の加藤順一さん、イタリアンレストラン「ドン ブラボー」の平雅一さんが考案した、和風だしを活かしたレシピも紹介。一流料理店で腕を振るう料理人達が持つだしへのこだわりが、この一冊に詰まっている。

だしを考える

本書では、多くのだしに触れることができるだけでなく、科学的な根拠に裏打ちされた、だしの仕組みを知ることができる。「だしを考える」をテーマにした、調理科学に関する執筆を手掛けるのは、川崎寛也さん(味の素株式会社食品研究所)。大きな視点でだしを捉え、だしの本質や重要性、そしてその可能性についても論じる。一冊を通し、だしを根本的に理解し、自在に使いこなすための助けとなるだろう。

自分のだしを解析する

本書と連動し、著者の川崎寛也さんが面白いウェブサイト(https://hiroyakawasakiwebapp.shinyapps.io/DashiAnalysis/)を立ち上げている。このウェブサイトでは、自分がだしに使う昆布や節の種類・量、加熱時間を入力することで、グルタミン酸とイノシン酸の量、うま味の強さを、「だしの研究」に載る料理店と比較。自分のだしを客観的に把握することで、だしへの理解をより深めることができるのである。グラフに関する詳細は、本書を参照しよう。

自分のだしの位置づけを理解する目安になる

だしの研究 だしの仕組みを理解して、自在に使いこなすための、調理とサイエンス
仕様:B5 216ページ
定価:3,300円(本体3,000円)
発行:柴田書店
http://www.shibatashoten.co.jp/detail.php?bid=00632700