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写真:ピザ

全ての食材の産地に足を運び、イタリアにも多くの提携生産者を持つ。 選び抜かれた食材で本場・トラットリアの味を届ける「LA PENTOLACCIA」

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EAT UNIVERSITYは、本当に美味しいレストランで手づくりされたお取り寄せグルメのセレクトショップ「3rd Menu」をスタートしました。今までになく、自宅で食事を摂る機会が増えた新しい時代に、プロにしか生み出せない食の感動を自宅で簡単に味わえるようにしたい。そんな想いで私たち編集部は、自分たちが本当に美味しいと思うレストランを選び抜き、お店で手づくりしたグルメをお届けしていくこととなりました。美味しい料理の背景には必ずと言っていいほど、語られるべきストーリーが存在すると私たちは考えています。当連載では、私たちの想いに共感してくださったシェフの皆さんお1人ずつにインタビューさせて頂き、そんな美味しさの背景にあるストーリーに迫ります。

新潟県の郊外に、イタリアンレストラン「LA PENTOLACCIA(ラ・ペントラッチャ)」がある。ローマのコロセウムを思わせる半円型の建物に入ると、解放感のある店内にはイタリアで仕入れた調度品が飾られて、窓から見渡せるのは、小さな広場。イタリアの空気をそのまま持ち帰ったような空間が、そこに広がっている。 「ラ・ペントラッチャ」は、「ミシュランガイド新潟2020特別版」にて「ミシュランプレート」として掲載された実力派レストランだ。

写真:ラ・ペントラッチャ

コロセウムを思わせる半円型の建物の中は、イタリアそのものの空気

オーナーは、高波利幸さん。現在、南青山、川崎にもイタリアンレストランを出店、以前 EAT UNIVERSITY でご紹介したモッツアレラチーズとブッラータの工房兼専門店「MuMu MOZZARELLA(ムームーモッツアレラ)」も運営しているが、原点は、オーナーの故郷である新潟県に構えた「ラ・ペントラッチャ」。

オーナーの高波利幸さん

どんなところで、どんな人が作っているのか。気になる食材があれば、まず現地へ

「ラ・ペントラッチャ」では、イタリアから直接仕入れた食材、新潟県産をはじめとした選び抜かれた新鮮な魚介類、お肉、旬の野菜など。こだわりの食材を使用したイタリア料理を提供している。

「美味しいものを見つけては、生産している方へ直接会いに出かけます。この食材探しの旅を通して、色々な方と出会えて。ポリシーを持ってものづくりをしていると、その思いや真摯な人柄は作ったものを通して伝わってくるということを実感できました。思いのこもった食材を料理に変えて、お客様に紹介ができたら。」

イタリア直送原材料でつくるモッツァレラブランド「MuMu MOZZARELLA」がはじまるきっかけとなった、イタリア・サレルノ視察時の様子

どんなところで、どんな人が作っているのか。気になる食材があれば、まず、現地へ足を運ぶ。食材選びは必ず自分達の味覚、そして目で確かめてから仕入れを決めている。創業以来、約30年続けているこのライフワークを通じ、これまで様々な生産者と深く関係を築き上げてきた。

「一度、地元の農家さんにお願いして、イタリア野菜を栽培してもらったことがありました。しかし、イタリアと日本とでは環境が違うせいか、農家さんとしては、自信の持てる出来栄えにはならず。そこで気が付いたのは、それぞれの農家さんには、これだけは負けないという誇りを持った、その土地に適した品種の野菜があるということでした。」

生産者の方々と関係を続ける中で、それまで頭にあった「イタリア料理にはイタリア野菜を」という概念は崩れ、その土地で採れる一番美味しい食材を大切にしようと考えが変わった。例を挙げれば、主に和食で使われている「越の丸茄子」(新潟県糸魚川市の特産)だが、「ラ・ペントラッチャ」では毎年7月になると登場する定番の夏野菜。とにかく甘みが強く、肉厚で美味しい。この「越の丸茄子」を使ったメニューを楽しみに、毎年やって来るお客さんもいるんだとか。

パスタも、バルサミコ酢も、チーズも。イタリアのあちこちに現地パートナー

高波さんは、国内に限らず、イタリアへも毎年足を運び、新しい味覚を探し続けてきた。そのためイタリアのあちこちに、現地パートナーがいる。パスタの聖地グラニャーノにある小規模なパスタ工場や、モデナ産バルサミコ酢の工房、ボローニャの老舗チーズ店など。どの提携先もファミリー経営で、規模は小さいものの、伝統的な製法と技術で高い品質を守り続け、本物の味を届けてくれる。

「大量生産をしている所はたくさんありますが、生産量をセーブしてでも質に重きを置く。そのような食材、そして生産者を大事にしたいんです。」

ワインに関しても同様で、南イタリアから北イタリアまでワイナリーと直接交渉をし、提携。蔵元からワインの直輸入をしているほか、2010年からはイタリア・エミリアロマーニャのラヴェンナ郊外に自社の契約葡萄畑を広げ、オリジナルのワイン醸造をスタートさせた。「Luciano×Takanami(ルチアーノ×タカナミ)」と命名されたこのオリジナルシリーズは、もちろんレストランで味わうことが出来る。

写真:ラ・ペントラッチャ

店内では、高波さんがイタリア各地で発掘したこだわり食材や調味料を購入することも出来る

ローマ出店への挑戦

高波さんは19歳の頃に初めてイタリアを訪れた時から、今もなお、イタリアに魅せられている。調理師学校の研修旅行で初めてイタリアへ足を踏み入れた時、肌が合うと直感したそうだ。そして2012年、憧れの地・ローマへの出店を成功させた(6年間の営業の末、現在は現地の経営者へ売却。今も店は残り、ローマで親しまれている)。しかしその理由は、意外なものだった。

「イタリア料理を勉強したいと望む人が、本場で腰を据えて学べる場所を作りたかったんです。イタリアへ行ってレストランで経験を積もうとしても、ビザの関係で(労働ビザが取れず)3ヵ月ほどで店を変えなければならない。そんな事情を知り、彼らの修業先になればと、ローマへの出店を決めました。」

どこまでも人とのつながりを大切にしながら、挑戦を続ける高波さん。

「リピーターのお客様が9割ほど。親子3世代で通ってくださる方もいて、長いお付き合いをさせていただいております。」

高波さんが料理に込める、食材や、その作り手への思い。そしてイタリア食文化への情熱。食材を主役にしたイタリア料理は、地元で愛され続けている。

48時間以上寝かせた生地、イタリア直送原材料で当日作られたばかりのモッツァレラ

写真:ピザ

窯から出してすぐ、急速冷凍することで出来立ての味を楽しめる

今回、「ラ・ペントラッチャ」が3rd Menuに出品する目玉メニューは、マルゲリータ、4種チーズ、ドライ白イチジク、ピスタッキォ(ピスタチオ)の4種類が用意されているピザ。

「オーダーが重なっても熟成時間は守るよう徹底しています。」(オーナー・高波さん)という、48時間以上寝かせて低温長期熟成させることで小麦の旨味をしっかりと引き出した生地を、職人が1枚1枚職手伸ばし。高温の薪窯で1枚ずつ焼き上げて、特別な機材を使って熱々なまま急速冷凍することで水分が逃げるのを防ぎ、レストランでの味わいと遜色のない美味しさを楽しめる。

どのピザにも共通して使用されるのが、「ラ・ペントラッチャ」内に工房が設置されている「MuMu MOZZARELLA(ムームーモッツアレラ)」のモッツァレラチーズ。イタリア直送の原材料でその日に作られた出来立てをトッピングするため、他では味わうことの出来ないフレッシュさとミルキーさを味わうことができる。

その他各ピザごとに、例えばピスタチオのピザには香り高さで名高いシチリア・ブロンテ村産のピスタチオペーストを使用するなど、どのピザも、素材にこだわる「ラ・ペントラッチャ」ならではのこだわりが詰まっている。

LA PENTOLACCIAラ・ペントラッチャ)
住所:新潟県上越市下門前2292
電話:025-543-7559
定休日:毎週月曜日(祝日の場合翌日火曜日)
3rd Menu 出品者紹介ページ
3rd Menu 商品ページ:
MuMuモッツアレラのマルゲリータ
4種チーズのピッツァ はちみつ付き
ドライ白イチジクのピッツァ はちみつ付き
ピスタッキォ(ピスタチオのピッツァ)
サルティンボッカ
オリジナルピザカッター