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「知る」
イラスト:ラムネ

大企業はラムネを作ってはいけない

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大阪の「たこ焼き風ラムネ(ソース風味)」、広島の「もみじ饅頭風味ラムネ」など。「地ビール」ならぬ「地ラムネ」も登場し、多様な種類が展開している日本のラムネだが、生産しているのは中小企業のみで、基本的に大企業(資本金が3億円、従業員が300名以上)は生産することができないのを、ご存知だろうか。というのも日本には1977年(昭和52年)に公布された「分野調整法」があり、ラムネは「中小企業の特有の品種」として大企業の参入が制限されているのだ。「中小企業の特有の品種」の対象とされる清涼飲料は他にもあって、シャンメリー、びん詰めコーヒー飲料、びん詰めクリームソーダ、ポリエチレン詰清涼飲料(チューペットなど)、焼酎割り用飲料。これらもラムネと同様に、長い歴史の中で中小企業が開発・育成してきたものとして、その事業活動が保護されている。

ラムネの原型は、1853年にペリー提督により持ち込まれた「レモネード」。1865年に「レモン水」という名で長崎にて発売されたことに始まって、今でも夏の風物詩として楽しまれ続けているのは、ラムネを作る幾つもの小さな企業が、その味や伝統を守り続けきたからなのである。

イラスト:ラムネ


参考
・「清涼飲料水Q&A」 全国清涼飲料連合会
・「ハタラムネ豆知識」 ハタ鉱泉株式会社