元Roscioliパスタ場シェフから、本場ローマNo.1のカルボナーラを学ぶ|イベントレポート
※このイベントで披露されたカルボナーラのレシピはこちら
2019年6月29日(土)、横浜にほど近い反町のイタリアンレストラン「DA HORI(ダホーリー)」にて、 Eat University主催のイベント「ローマNo.1『Roscioli』のカルボナーラを学び、食べる」を開催しました。
ローマで最も美味しいカルボナーラの店に何度も選ばれた名店「Roscioli(ロッショーリ)」。そのカルボナーラを日本にいながら食べて、学べるという贅沢なイベントです。講師には同店に日本人初の正社員として勤務し、毎日100食以上のカルボナーラを作っていた岩堀俊彦シェフをお迎えしました。
美味しいだけでは終わらない、現地の食文化にも迫る
はやる気持ちを抑え、ローマの食文化の講義からイベントは始まりました。食べることが大好きな参加者や運営メンバーからも質問が飛び出し、徐々に店内の空気が熱を帯びていきます。
あまりにも有名なカルボナーラですが「その起源は?」「誕生のきっかけは?」岩堀シェフ曰く「現在のカルボナーラが生まれたのは1940年代。イタリアを訪れたアメリカ軍の食材に影響を受けたという説があります。カルボナーラに近いペコリーノチーズと胡椒で作る『カッチョエペペ』は、ローマで昔から食べられていたんですけどね」。
ローマにはバングラデシュやエジプトからの出稼ぎ労働者が多く、カレーやケバブの店をよく見かけるといいます。最近は日本の家系ラーメンの店があったり、ハンバーガーショップが人気だったりと食の多様化も進んでいるようです。そんなローマだからこそ、異国の食材を取り入れたカルボナーラが生まれたのかもしれません。
天ぷらとは異なるフリットの衣を作るコツも
レシピの伝授はカルボナーラだけではありません。前菜としてバッカラ(鱈の塩漬け)のフリットの実演がスタート。
日本ではあまり馴染みのないバッカラですが、地中海地域ではよく食卓にのぼる食材です。今回はフリットということで、日本の天ぷらとは違う衣の作り方に注目が集まりました。
衣にイーストを入れることがポイントのようで「粉が残らないようにしっかりと混ぜてから寝かせましょう。衣の水に強炭酸水やビールを使うと、よりサクサクとした仕上がりになります」と岩堀シェフ。
参加者は講義を交えたシェフの実演を目の前で楽しみながら、熱心にメモを取っていました。フリットを揚げ始めると、食欲をそそる揚げ物の香りが店全体に漂います。
実演後はいよいよ試食。本場の味を堪能しながらの質問タイムとなりました。
「一般的にはサラダ油のみで揚げることが多いと思いますが、そこに少しだけオリーブ油を混ぜると程よく香り付けできるのでおすすめですよ。ただ、あまり加えすぎると匂いがきつくなるので、量はうまく調節しましょう」と話すシェフのどんなアドバイスも聞き逃しません。
自宅で再現するポイントもしっかり伝授
最後は待ちに待った「Roscioli」カルボナーラの登場です。
「パスタの麺は製法によって大きく2つに分かれる」など、身近なのにあまり知られていないパスタの話に興味津々の参加者。
「Roscioli」のカルボナーラの特徴はソースに生クリームを使わないことで、そのため塩気がより際立つのだといいます。豚肉はバラ肉ではなく、頬から首にかけてを熟成させた「グアンチャーレ」を使用。より脂が甘く、肉質がキュッと締まっているので、ソースの濃いカルボナーラとの相性が抜群なのだとか。
シェフが調理を始めると日本と違う本場のプロの作り方を前に、写真を撮りながらどんどん惹き込まれていきました。グアンチャーレの香ばしさやペコリーノチーズの芳醇な香りにもうっとり。
試食が始まると実演を見ていた真剣な眼差しが、みるみる細まり笑顔に。
「ソースに生クリームを混ぜないため、卵が固まりやすいです。それを防ぐためには、グアンチャーレを焼いたときに出る油をソースに混ぜたり、卵白の分量を少し増やしたりすると良いです」と自宅で作るときのポイントも。再現性を高めるアドバイスを直接いただける貴重な時間となりました。
本場で修行を積んだシェフだからこその唯一無二のレシピを、五感をフル活用しながら学んだ今回。講師との距離が近いからコミュニケーションが生まれ、話が広がる、その場に集まった全員で作られるライブ感に、お腹はもちろん心も満たされる時間をお過ごしいただけのではないでしょうか。
DA HORI(ダホーリー)
住所:神奈川県横浜市神奈川区反町3-19-6 浅井ビル1階
電話:045-595-9688
定休日:月曜日、第1・第3火曜日
URL: https://foodplace.jp/dahori/