缶詰の基本原理は、遠征が多いナポレオンの要望によって発明された|食の雑学ノート
1789年のフランス革命後、フランス軍を率いて数々の戦いを勝利に導いた、ナポレオン・ボナパルト。彼は、遠征軍に栄養豊富、新鮮で美味しい兵食を用意することが、兵士達の士気高揚に不可欠であると考えていた。というのも当時の食物貯蔵は塩漬け、燻製、酢漬けの保存食が中心。味が悪いだけでなく、腐敗も多かったのだ。そこで保存食のアイディアを懸賞付きで公募したところ、1804年、フランス人の二コラ・アペールによって長期保存が可能なガラスの瓶詰めが発明された。調理した食品をガラス瓶に詰めて密封し、長時間煮沸・殺菌消毒をするこの発見は、缶詰の基本原理であった。
二コラ・アペールが発明した瓶詰め。保存には便利であったが、持ち運ぶには重く、割れやすいといった欠点があった。この欠点を克服したのが、イギリスのピーター・デュランド。1810年、ブリキ缶に食品を保存する缶詰を発明。食品を長期保存、そして簡単に持ち運ぶことが可能となったのである。これが、現在の缶詰の原型となっている。
参考
・「製缶技術の変遷・金属缶の歴史」 日本製缶協会
・「缶詰っていつ出来た?」 mr.kanso