ピーナッツバターからダイヤモンドが作られたことがある|食の雑学ノート
ピーナッツバターを、ダイヤモンドに変える。まるで魔法のような話だが、これは2014年、ドイツの物理学者ダン・フロスト氏の実験で証明された本当の話。フロスト氏は、地球の表面から約2900km以上も深いところにある、下部マントルの研究をしていた。温度約2200度、地上の約130万倍の圧力がかかる下部マントルの状態を研究室でシミュレーションしている時、その環境にピーナッツバターを置いたところ、なんとダイヤモンドが生成された。つまり、ピーナッツバターからダイヤモンドを作る方法を発見したのである。
1772年にダイヤモンドが炭素の結晶形であることが発見されてから、人々はダイヤモンドの製造を試みては失敗を繰り返してきた。そして1956年、アメリカ、ゼネラル・エレクトリック(GE)の科学者たちが、商用化可能な人工ダイヤモンドの製造に成功したのだが、実はこの時にも、ピーナッツバターからダイヤモンドを生成する試みを行ったとのうわさが……。
これらの実験は、炭素を含む素材(炭素はあらゆる食品、生物に含まれている)であればピーナッツバターに拘る必要はない。では、なぜピーナッツバターが使われたのか?明確な理由は、謎である。
参考
・David Robson 「How to make a diamond from scratch – with peanut butter」 BBC
・ロバート・ヘーゼン 「ダイアモンドを作った人たち」