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イラスト:タラバガニ

タラバガニは、カニではない|食の雑学ノート

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英名「Red King Crab(カニの王様)」からも分かるように、タラバガニはその大きさと、ぷりぷりとした食べごたえのある身の味わいから、カニの王様にふさわしい!しかし実はカニではなく、ヤドカリの仲間なのだ。

見た目は完全にカニなのに、なぜ似ても似つかないヤドカリに分類されるのか。その理由はいくつかあるが、脚に注目してみよう。カニもヤドカリも、「十脚甲殻類」の仲間。なので毛ガニやワタリガニを見ると、その脚がハサミを入れて10本しっかりと確認できるが、タラバガニには8本の脚しか見えない。実はタラバガニは、残り2本の小さな脚をお腹にしまい込んでお腹のゴミ排出などに使っているのだが、これはカニには見られない、ヤドカリの特徴とされている。

寒い冬の味覚として愛される、タラバガニ。正式にはカニではなく、ヤドカリの仲間だったとしても…その美味しさと圧倒的な存在感は変わらない。ちなみに日本名「タラバガニ」の由来は、鱈が獲れる場所で混獲されることが多かったから。「鱈場のカニ」からきたといわれている。

イラスト:タラバガニ


参考
・「収斂進化1:カニの王者タラバガニはカニのそら似」 宮田隆、JT生命誌研究館
・「おさかな瓦版「タラバガニ」」 独立行政法人水産総合研究センター