バナナに種はない|食の雑学ノート
青果店やスーパーマーケット、最近ではコンビニエンスストアでも見かけるようになった、バナナ。日本バナナ輸入組合によると、なんと2005年から16年連続で「よく食べる果物第1位」に君臨。美味しさや栄養価の高さはもちろん、人気の理由の第5位は「食べ易い」点。皮を手でサッと剥けば種を気にすることもなくそのまま食べられる手軽さは、やはり魅力的だ。
私たちが普段食べているバナナに、種はない。バナナを輪切りにして中心部に見える色の濃い部分は、種のなごりなのだ。もともと、野生のバナナには小豆ほどの種がたくさん詰まっていたのだが、バナナの遺伝子に突然変異※が起こり、偶然、種なしバナナが誕生。可食部も多いため重宝され、定着していったという。
ちなみにバナナは花が咲き実をつけると枯れてしまう多年生の草(木ではない)なので、種のないバナナの子孫を残すため、新芽を株分けして栽培を続けている。
※種ありバナナの染色体は二倍体(2本ずつの対)だが、種無しバナナは三倍体(3本ずつの対)。一般的に三倍体の植物は種が出来にくいという性質を持っている。
参考
・「バナナの植物学」 バナナ大学
・「バナナに種はあるの,あるならどこにあるの」 学研キッズネット