お酒が大好きな人に向けたノンアルコールドリンク。「オルタナティブアルコール」という新しい選択｜食のミライ
レストランでも、もちろん自宅でも。料理の味を引き立ててくれる飲み物は、食事に欠かせないもの。これまで主にお酒がその役割を担ってきたが、今、欧米を中心に「オルタナティブアルコール」という新しい選択肢が芽生え、世界各地で広まっていることをご存知だろうか？今回は、日本で初めて「オルタナティブアルコール」の専門商社である株式会社アルト・アルコを起ち上げた、安藤裕さんにお話しを聞いた。
アルト・アルコ社の最初の取り扱い商品である「/shrb」を手にする安藤さん
安藤さんが専門に取り扱う「オルタナティブアルコール」とは、お酒のように楽しめる、大人のためのノンアルコールドリンクのこと。といっても、スーパーマーケットに並ぶノンアルコールの缶ビールやカクテル、ワインなどとは一線を画す、全く新しいスタイルの嗜好品だ。従来のノンアルコールドリンクは、アルコール成分を抜く引き算の発想だった。しかし「オルタナティブアルコール」は、ベースとなる果汁やビネガーに、ハーブ、スパイスなどのボタニカル（自然由来）を絶妙に加えることで、アルコールが無い分軽くなりがちな味わいに、深みとパンチをプラスする。この足し算のアプローチが、特徴だ。
ワインのインポーターだった安藤さんが、「オルタナティブアルコール」専門商社をスタートさせる
安藤さんは大学時代、ワーキングホリデーを利用して1年間渡仏。約12都市を巡り、地元の食料品店で働きながら、本場のワインに触れる機会に恵まれた。帰国後はイギリス最古のワイン商、BBR（Berry Bros & Rudd／ベリー・ブラザーズ & ラッド）の日本支店へインターンとして勤務し、その後はワインの輸入業に従事。ワインのインポーターとして働く中、意外にもノンアルコールドリンクに関して考えるようになったという。
「飲食店の方からはよく、面白いノンアルコールドリンクは無いの？と聞かれていました。お店によっては何十～何百といった種類のワインを取り揃えて分厚いワインリストを用意しているのに、ソフトドリンクの欄には数行だけというところは多くて。お酒を飲まない方々への選択肢があまりに少ない。ワインの魅力のひとつとして「多様性」をうたっているのに、お酒を飲まない人たちをまるで無視してしまっているような状況に、疑問を感じるようになったんです。」
そんな時、2015年頃から、ノンアルコール文化が進むイギリス・ロンドンにて新しいノンアルコールのスタイル「オルタナティブアルコール」が流行し始めた。その存在と新しい魅力を知った安藤さんは、これまで賄えなかったニーズに応えられる大きな可能性を感じ、2018年、日本で初めての「オルタナティブアルコール」専門商社、株式会社アルト・アルコをスタートさせた。
安藤さんはこれまで約1,000軒以上のレストランへコンタクトを試み、料理人やソムリエたちに直接「オルタナティブアルコール」を紹介してきたという。日本では全く出回っていないゼロからのスタートであったが、今では星付きレストラン、一流日本料理店、ラグジュアリーホテルなど感度の高い店で採用され、代官山 蔦屋書店や銀座ロフトにポップアップ・ストアを出店するなど、注目度をどんどん高めている。
選んで、語って、楽しめる。新しい選択肢の登場で、多様化する大人の嗜み
食材と飲み物を組み合わせ、互いの味わいが際立つことを「マリアージュ」と呼ぶ。「オルタナティブアルコール」は、まさにこのマリアージュが楽しめる、食事とのペアリングに適した飲み物だ。甘めなテイストから、重量感のあるものまで、それぞれが絶妙なバランスの味わい・香りで、料理にそっと寄り添うように考えられている。まさにここがジュースと全く違うところ。
「世界のベストレストラン50」で過去4度にわたり1位に輝いた「noma」で、ドリンクペアリングに携わっていたWilliam Wade氏が開発した「NON」も安藤さんが取り扱うドリンクの１つ
「弊社の取り扱う「オルタナティブアルコール」は、全くお酒が飲めない方はもちろん、お酒が好きな方にこそ楽しいんでほしいドリンクなんです。ワインや日本酒などのアルコールドリンクと、料理のペアリングやマリアージュをといった楽しみ方に慣れ親しんでいる方ほど、満足感を感じていただけると思います。」
実際にテイスティングをすると、自然由来の風味が重なり合った複雑な味わいに驚かされる。ノンアルコールと聞くと、お酒を我慢する代わりに選ぶといった印象を持ちがちだが、これからの「オルタナティブアルコール」は、飲みたいから選ぶ。ぜひ食卓へ、ホッと一息つく時間のお供に迎え入れたい新しい大人の愉しみのひとつなのだ。
EAT UNIVERSITY編集部が１品１品セレクトした、本当に美味しいレストランのお取り寄せグルメ、そして食に関わるプロの手掛けたこだわりの品ばかりを集めたセレクトショップ「3rd Menu」では、この度、安藤さんが輸入を行うオルタナティブアルコール「/shrb」と「NON」の取り扱いをスタートしました。詳細はこちらから。
また、「/shrb」と「NON」の取り扱いスタートを記念して、アルト・アルコ安藤さんとの共催オンラインイベント「”お酒好きのためのノンアル講座” by 3rd Menu x 株式会社アルト・アルコ」を8月25日（水）18:00より開催いたします。参加無料で、試飲用ドリンクの割引クーポンを参加者の方全員に配布いたします。ノンアルコールドリンクの世界的なトレンドや歴史を紹介する他、バーテンダーさんにも登場いただき、美味しいモクテルレシピも紹介していただきます。
■ 日程
2021年8月25日（水）18:00～19:00（※17:50より入室可能）
■ 開催方法
Zoomを使用したオンライン
■ 参加費
無料
※ 参加者の方全員に3rd Menu上で「/shrb」及び「NON（ノン）」の購入に使える10%割引クーポンをプレゼント。
■プログラム（多少の変更の可能性有）
・ノンアルコールドリンクの歴史
・世界的ブームの背景とトレンド
・「/shrb」、「NON（ノン）」について（味わい、製造方法、作り手について等）
・バーテンダーによるモクテルレシピ紹介
・Q&A
詳細・お申込みはこちらから。
安藤裕（あんどう ゆう） 株式会社アルト・アルコ 代表取締役
1991年生まれ。日本初の「オルタナティブアルコール」専門商社、株式会社アルト・アルコの創業者。大学時代に1年間、渡仏。本場のワインに触れる機会に恵まれ、帰国後はワイン商でインターンとして勤務。卒業後、ワインの輸入業に従事するなかで、ノンアルコールドリンクに関して考えるきっかけを得た。イギリス生まれの新しいノンアルコールスタイル「オルタナティブアルコール」を日本へ運び込んだ、第一人者である。
